第五回 在宅ケアネット渋川
  今回のテーマ 「薬の問題、あなたはどう対応していますか。」 について質問

Q: 薬剤師の上にケアマネという立場で、利点はありますか

A:
薬剤師という医療人としての知識・経験を生かし、その上に福祉関係の知識を加味すれば十分にケアマネとして活躍することができると考えます。介護保険の目的は利用者の自立支援です。その利用者の多くが薬を服用しています。薬は病気を治療するために使用されますが、その薬はときには副作用やADLへ影響を及ぼし利用者の自立を妨げることがあります。薬剤師としての専門性と生活全般を把握できるケアマネとしての専門性を合わせ持つことができれば自立支援という観点からも多いに役立つと考えます。


Q:フランドールテープを軟膏の上に貼ってもいいですか

A:
不可。
・傷、湿疹、皮膚炎のある部位には貼らないこと。
・貼る部位は清潔にしてから貼ること。
以上がフランドルテープを貼付するときの注意点ですので何らかの理由で軟膏を塗っている上に貼ることはできません。フランドルテープを貼る部位は、胸部のほか上腹部、背部も可能ですので、軟膏塗布部位以外に貼付してください。


Q:例にあげた以外の市販の薬の効果は、病院で使用しているものと比べ、
効果が弱いですか

A:
一つ一つの成分量が少ないものが多いですが、医療用から一般用にもつかわれるようになった薬の中にはスイッチOTCと呼ばれるものがあります。
スイッチOTCは、医療用でのみ使用が認められている成分の中で、比較的副作用が少なく、かつ安全性の高い成分について一般薬への配合を許可するというものです。効果が少ないわけではありませんので処方せん薬と同様注意が必要です。薬剤師に相談しながら購入し使用することをおすすめします。


Q:病院に連れて行ってくれる人がいないなどの理由で、市販薬で対応している人が結構います。市販薬の使い方で注意する点は

A:
市販薬でも副作用がないわけではありません。薬によっては眠気をおこしてふらついて転倒したり、口の中が渇いて食事が上手くとれにくくなったりと、特に高齢者は筋力の低下や唾液の分泌の低下などで若い人に比べてそのようなことがおこりやすくなります。いづれにしても購入するときに薬剤師には必ずアレルギー歴・副作用歴・併用薬剤・病歴などを伝え、その薬剤ごとの使用上の注意を聞くことが必要です。
 また薬同士の重複や相互作用を避けるために「お薬手帳」を活用すると便利です。


Q:寝る前の薬・20時に飲む薬を夕の薬と一緒に飲ませるのどうでしょうか

A:
〜夕食後に服用する意味〜
@食後に服用することによって、薬の胃にかける負担を軽くする場合
 (痛み止め、抗うつ剤など)
A朝食後に服用したものと夕食後に服用する薬の間隔は約12時間と考えられ、
 処方されている場合、夕食後でなければ効果が期待できません。(血圧、心臓の薬など)
B食後の服用で、薬の吸収(食べ物と一緒に体に入っていく)が良くなる場合、
 効果が期待できません。(ビタミン剤、油に溶ける性質の薬など)
C夕食のボリュームが一番多く、その栄養が体に入るのを抑える場合、
 効果が期待できません。(コレステロールの薬、腎臓の薬など)
D朝食、昼食は食べたり食べなかったりだが、夕食だけはしっかりとる人の場合、
 飲み忘れを防げます。

〜寝る前に服用する意味〜
@眠気を催す効果がある場合、服用後のふらつき、意識の低下による転倒が防げます。
 (睡眠薬など)
A約6〜7時間で効果が現れる場合、翌朝の効果が期待できます。(下剤など)
B夜間に分泌が盛んになるホルモンを抑える薬の場合、薬の効果が期待できます。
 (胃薬など)
C寝ている間や、早朝の発作を抑える薬の場合(喘息の薬、心臓の薬など)
D寝ている間の尿の回数を減らす目的で処方されている場合(頻尿治療薬など)

以上のように薬の種類やその時間に服用する意味などによって一緒に飲ませることが好ましくないことがあります。しかし、患者さんの生活のリズムや介護力の問題などで指示されている用法どおり服用することが困難なケースもあると思います。そのような場合薬剤師に相談すれば、患者さんの生活に合わせた内容に変更できないか患者さんと医師との間に入り対応してくれます。薬剤師を上手に活用してみてください。


Q:飲み忘れた時は、どうしたらよいか

A:
基本的には思い出したらすぐ飲みましょう。しかし1日3回の薬であれば次の回は少なくとも4時間程度、1日2回の薬であれば6時間程度は間隔をあけて服用しましょう。なお、次の服用時刻が近いようであれば、飲み忘れた分は1回ぬかして、次からきちんと服用します。2回飲み忘れたからといって、あとで2回分の量を一気に服用したりしてはいけません。薬が効きすぎたり、副作用が生じやすくなる可能性があります。しかし薬によって飲み忘れたときの対応はちがっています。特に糖尿病の薬については注意が必要です。現在服用している薬一つひとつについて飲み忘れたときの対処の方法を、医師や薬剤師に確認しておきましょう。


Q:他人の薬を飲んでしまった時は、どうしたらよいか

A:
飲んだ薬が誰の薬か、何の薬かを確認し、すぐに主治医、薬剤師に連絡をしてください。緊急時にも、お薬手帳があると便利です。患者さんごと、病気や体格、年齢や性別、生活や行動、さまざまな違いに合わせて、それに合ったお薬が選ばれています。薬の種類はもちろん、服用する量もその患者さまならではのもの。間違って飲んでしまった薬が、思わぬ害を及ぼすことも考えられるのです。

@ 間違って飲んだ薬が病気を悪化させる可能性
A 普段飲んでいる薬との飲み合わせが悪かった場合、副作用の可能性
B 本来飲むべき薬を服用できないため病状が現れる可能性。
C 薬を別の患者さまに飲まれてしまって、飲むべき薬が足りなくなってしまう可能性。
D 知らない間に別の薬を飲んでいる可能性。

いずれにしても薬の管理に問題がある場合が多いです。患者さんの病状や行動を踏まえて、もう一度、薬の管理状況に気をくばってみましょう。未然に防ぐことが重要です。薬を作る段階で、薬剤師が工夫できることもあります。例えば、氏名、服用時間、日付、薬の名前などを一回ずつ分けて、管理しやすくする方法です。管理に問題がある場合には薬剤師に相談してみてください。


Q:薬の重複を避ける工夫

A:
かかりつけ薬局を持ち、服用中の薬を把握しておいてもらうことでチェックしてもらうようにすることをおすすめします。また、お薬手帳を携帯し、病院・薬局にて必ずみせることでも重複を防ぐことができます。


Q:薬を管理する立場にありながら、投薬ミスなど起こしてしまうことがあります。
何かよい方法は

A:
お薬カレンダーの活用、薬の一包化、他の薬とは混ぜないで保管することなどがありますが、薬を一包にまとめ、名前も記入し、確認しながら渡すことがまず考えられます。薬をまとめたパッケージへの名前や用法の記入(印字)は薬局でもできるのでご相談ください。


Q:痴呆老人の、薬に対する不信感への対処法。

A:
なぜ、不信感を持っているのかを考える。
痴呆の患者さんへの対処は、周りの人の常識で判断するのではなく、患者さん側に立って考えることが大切です。薬に対する不信が、服用がつらかったり、副作用が心配だったり、飲むたびに具合が悪くなっている事などが理由であるかも知れません。剤形上の問題で飲みにくさや服用時の苦痛などがあるような場合は、薬剤の形を変更したり、薬剤を変更・中止したりすることで解決することができることがあります。いずれにしても薬に対する不信感の背景をまず知ることが大切になります。そのためにもよくコミュニケーションを図り原因を見極めることが重要です。